A 石炭について


@ 褐炭(かつたん) 炭素があまりふくまれていない石炭で、良質ではない。
火力が弱く、煙や残り灰がたくさん出る。
A 無煙炭(むえんたん)
炭素をたくさん含む、良質の石炭。まっ黒でつやがあり、もやすと火力が強く、煙や灰が少ししかでない。
他にも「亜炭(あたん)」「れき青炭(れきせいたん)」「泥炭(でいたん)」などの石炭がある。

B 石炭のできるまで


@ 古い地質時代の植物が湖や沼の底に土や砂といっしょにたまっていく。
A 長い時間をかけて、あつい地層をつくる。
B 植物は圧力や地熱によって長い間に炭化が進み、炭素をたくさん含む石炭になる。

C 石炭と化学


石炭を乾留して得られる石炭ガス,コークス,コールタール。おもな製品としては,石炭ガスからつくられるBTX類(ベンゼン,トルエン,キシレン),コールタールからつくられるピッチ,クレオソート油などがある。コークスからカーバイドを経てアセチレンなど。石炭から作られるフェノールも重要。フェノールは有機合成化学工業重要な原料である。コールタールから分離するかベンゼンから合成する。ベンゼンからの合成法は、ベンゼンをスルホン化し、そのナトリウム塩をアルカリ融解する、クロロベンゼンとしてから、これを高圧下で水酸化ナトリウム水溶液と加熱する、クメンヒドロペルオキシドとしてから分解する(クメン法)などの方法によって生産される。クメン法の場合、副産物としてアセトンを生じる。フェノールの2008年度日本国内生産量は 771,641t、消費量は 194,594t である。

D 製鉄の時に欠かせない。


 石炭(を蒸したコークス)、石灰石、鉄鉱石を高温にして製鉄する。近代の製鉄工法において鉄は石炭なしでは作れない。

E 量子力学への入口となる。


 鉄を作るとき、温度を一定にしなければならない。温度計を使わなくても「色と温度」とは関係があることがわかった。(プランクの輻射式)この発見によって「光」と「電子」の関係が明らかになり、メーザー、レーザー、CD、DVD、コンピュータなどの開発に直接つながっていく。ちなみに石炭のように真っ黒い物質ほど高温にするとまばゆく光る。これを「黒体放射(輻射)」という。

F 火力発電の燃料として重要。


たとえば、常陸那珂火力発電所(ひたちなかかりょくはつでんしょ)
総出力:200万kW(2012年12月18日現在)
敷地面積:約141万m2
1号機
定格出力:100万kW
使用燃料:石炭
蒸気条件:超々臨界圧(Ultra Super Critical)
熱効率:45.2%(低位発熱量基準)
営業運転開始:2003年12月12日
2号機
定格出力:100万kW
使用燃料:石炭
蒸気条件:超々臨界圧(USC)
熱効率:45%以上(低位発熱量基準)
営業運転開始:2013年12月18日
 コメント → 最近稼働したことがわかります。 世相を反映しています。

無煙炭の燃焼


鉱物サンプルとして入手しようとしたところ、困難でした。
今回、山陽鉱商様から入手させていただきました。(http://sanyokosyo.com/)
ありがとうございました。




昼間であると、赤く燃えている様子がわかりにくかったので、夜に行いました。